お仕事
あと二日で帰国。
仕事を考えねば・・・
なにがやれるのと尋ねられて、何でもやりますとしか答えられない典型的なダメ職歴の人なので、ログアウト先の現実世界の方がお先真っ暗な状況です。
困ったねぇ。
先日ブログに書いていたエロゲー仕事は、08年秋から12年末くらいまでやっていました。
なんでそんなことを書くのかというと、ずっとその道一筋の人と思われるのは困るからです(笑)
その前の3年ほどは、とある外資の信託銀行や、とある財界系のシンクタンクのシステム部で派遣やってました。
昼間はオフィスでスーツ姿、夜はデパートで装飾施工、金曜は徹夜の建築現場という馬車馬の如き働きっぷりでした。
馬車馬だって、あんなに働かないんじゃねーの?
ダラットで観光用の馬車を見ましたが、ほとんど働いていなかったからね。
で、08年に嫁さんが鬱病をこじらせて登校拒否になり、一週間も家から出ずに布団にくるまっているようになり、挙げ句の果てに掃除機のホースで自分の首を絞めながら叫び出したり、夜中の多摩川に飛び込んだりするようになって、さすがの私もこれをエキセントリックで刺激的とか、ネタになる美味しいエピソードとかって受け取るにはいささか器量が足らないだろうってことに気づかされ、昔の伝手を頼って自宅で出来る仕事、すなわちエロゲー開発の下請けを始めた訳です。
なにより帰宅したら嫁さんが冷たくなっていた、という想像がいちばん怖かったんですね。
12年の末くらいまで続けましたが、11年の震災後はほとんんど開店休業状態で、実質的には08年秋からの2年半が私のエロゲー時代です(笑)
エロも含めてゲームなんかしないのに。
元同僚のHさんから旧作のスクリプトを貰って、ざっと眺めて覚えました。
プログラムの才能は皆無なので、ゲームシステムに手を入れることは出来ませんが。
スクリプターにもいろんなタイプの人がいて、システムでザインまでこなすプログラマー寄りの人、シナリオ出身で自分の書いたものを動かすようになった人、大きな会社に入って分業体制の中でスクリプトに特化した人なんかです。
私が世話になったところはメンバーが3~4人の企業同人だったので、スクリプトを打ちながら多少はシナリオもやり、音声・効果音から足りないグラフィックのでっちあげまで、それこそなんでもやりました。
結局は「なんでも屋」です。
システムに関わらない以上はキャラを動かすことに専念できるので、ちょっと異常なくらいにコマンドを入れました。
ほとんどセリフごとに表情かポーズをチェンジさせてましたから、デバッグは大変だったと思います。
でも、技術があるわけじゃないから手数で勝負(笑)
そうじゃなくても動かない電脳桃色紙芝居なんだから、ヒロインくらいは感情表現豊かでないとね。
2年半で17作くらい(訂正20作)作ったと思います。
3ヶ月で2作ペースでしたが、正直な話がよく覚えていない(笑)
私が携わったのはエロゲーの中でも、いわゆる「抜きゲー」と呼ばれるジャンルで、安くてボリュームが小さくてという粗製濫造作品の密集地帯でした。
ほとんどキャラクターの個性が表現される間もなく、いきなりエッチに入ります。
長い前振りは必要ない。
エッチシーンの比率はシナリオの8~9割。
いきおい、あのマンガのあのヒロインとか、あのアニメのあの女の子とかっていうイメージをもろに引っ張ったキャラが続出します。
パクリ?
買う人にとってはそうかもしれませんが、制作側には別の理由もあります。
他作品のイメージを引っ張ったキャラや、ステレオタイプに固定された人物像を引っ張って来ることにより、そのキャラの個性を作中で説明する手間が省け、その分作業量や予算が減らせ、その分をエッチシーンに回せる・・・
要はキャラの書き込みを他作品(とユーザーの脳内ストック)に委ねないと、三月に二作は回らない。
スクリプトはシナリオや絵・音楽・ボイスなどの素材が集まってからの下流工程で、上流の進捗状況に仕事が左右されます。
それが辛くて上流工程のシナリオ作業にも手を出したのですが、ただ単に上流から下流まで忙しくなっただけでした。
シナリオを少しやって自分で気づいたのは、自分の性的な倫理ハードルが想像以上に高かったこと・・・
思ったほど自分は変態じゃないんだ・・・と思い知らされる? ことに。
レイプシーンとか書けませんよ。
だいたいAプレイとかですら、プライベートでやらないことは書けない。
なんででしょう?
やったことがないから?
殺人シーンなら心理的なハードルをあまり感じずに書けるのに。
ま、才能がないってことですね藁
あと・・・
いやいや、果てしないからやめときましょう。
でも、ゲームをプレイするのはしんどいから嫌いだけど、頭をひねって作るのはけっこう楽しかったです。
今日はこれからハロン湾の観光に行ってきます。
ではでは。
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