やらかしちゃった。 財布落としちゃった。 という書き出しは、もう使ったような気がします。 ダメですかね、この展開。 もう使えませんかね。 しかしながら現実は非情にして厳しいもんで、私の財布はまたしても失われてしまったのでした。 あんだけ注意してたのに。 今日はポンティアンを出て北に70キロほどのバトゥ・パハへ。 そのバスから降りるときにシーとの上に零れたみたいです。 まだバスターミナルじゃないからとのんびり構えていたら、ターミナルには入らないからここで降りろと。 慌てて荷物を担いだのが敗因。 ポケットを探って、あっと思ったときにはバスは走り去っていて、どこの会社のバスだったかも覚えていない。 チケットも財布の中だし。 傍の交番で警官に掛け合ったけど、どこのバスかも覚えていないんじゃしょうがないし、パスポートじゃなくてラッキーだったねという話になって、しょうもない。 ここで宿を借りて忘れるか、それとも振り出しに戻るかを5分で決断して、ポンティアンに戻るローカルバスに乗り込んだ私。 来るときは1時間10分だったエアコンの快速バスですが、帰りはノーエアコンのローカルバスで客を拾いながらのんびり走ります。 さらに途中の町Benutで運行終了となり、次のバスまでマレーシアの眠ったような田舎町で30分待ち。 結局は2時間半かけてポンティアンに辿りついてチケットを買ったカウンターで運行会社に確認させたものの、財布は帰らぬ人となりました。 それなりの金額は入ってましたが、旅に支障が出るほどの額じゃない。 先日の紛失騒ぎで失効させ、代わりに発行させたカードをまたしても無くしたのは、これが痛い。 再発行に1万5千円かかるから、とりあえず再々発行は諦めよう。 それよりも、たった17日間で二度も財布を落とすなんて。 言っときますけど、書いときますけど、学生時代に財布を落として以来この20数年、一度も財布を落としたことなんてありません。 (携帯は3回落としましたが・・・) でも、落としてるんだから。 それはともかく、俺はそんなに無能な人間だっただろうか、というダメージがでかいです。 その名も高き無名の超A級フリーター(意味不明)とは、この俺様のことだったのではなかろうや、否や。 いや、ない。 今日はね。 もう夕方だし、ここから次の町に移動するのは好ましくない。 どよんとした気分で、朝方に気持ちよくチェックアウトしたホテルに戻って再度チェックイン。 同情した受付のお嬢さんが3リンギット(約100円)まけてくれました。 シャワーを浴びてそのまま寝ちゃおうかと思いつつ、気を取りなおして夕陽見物と夕食をかねて外出。 約一時間半、ポンティアンの海岸縁にある公園で夕陽を眺めて参りました。 ちょうど知人に「グッと来る夕陽の写真」なるものを所望されていたことを思い出して。
まったく我が侭なリクエストです。 「グッと来る」ってなんでしょう? ベトナムの海岸で朝日でも撮影して送っちゃえ(笑)、どうせ判りゃしねぇって思ってたんですが、そんな意地悪することもないしね(冗談だってば!) 海に着いたときには、まだ太陽は高いところで、はやく沈めってイライラしながら眺めているうちに、いつのまにか刺々しかった気持ちも和らいで。 波間に散った黄金色の輝きが、一本の道のように水平線に延びていきます。 そういえば新潟に住んでいた低学年の頃、よく両親や妹と日本海を染める落日を眺めに行ったもんです。 海に沈む夕日と30年以上もご無沙汰だったとは。 (いったい30年以上もなにをしていたんでしょう?)
正直なところ、こういうトラブルがあるたびに「やっぱ日本に居れば良かった」「引っ越しだってしないで東京で暮らしていたらよかったんじゃないか」って思ったりしないでもありません。 好きなところを気ままに歩ける一人旅も、一方では孤独の味気なさだけが友人なのです。 それでも3ヶ月したら、26年ぶりに息子が戻ってくると思えばこそ、母が父の介護を頑張りながら待っているのだと考えれば、やはりせっかく貰った3ヶ月を軽々に擲って逃げ帰ることもできはしない。 あと50年を生きる両親の3ヶ月じゃないですから。
あと何日? 73日です。 それも長げぇなぁ・・・ でも来ちゃったんだから楽しまねば。 俺はどんな仕事をしても楽しめる男(と言われた男)。 仕事でないなら尚更のこと。 そんなことを穏やかに考えられた海辺のひとときでした。 では改めまして。 日本帰国まで、あと73日!!
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